骨 関節 アミノ酸 骨粗しょう症 関節 コラーゲン

骨粗しょう症予防に大切なアミノ酸

再三登場してお馴染のコラーゲンですが、骨と関節もまた、コラーゲンが重要な役割を果たしています。コラーゲンといえば皮膚というイメージが強いと思いますので、皮膚とはまるで違った性質の骨とコラーゲンの関係は想像しがたいかもしれません。

 

まず骨の構造を見てみると、中空構造になった骨髄の回りを硬い石灰質の骨幹が取り巻いています。フライドチキンの骨などを思い出して下さい。中の黒っぽい部分が骨髄です。骨髄はいわば血液の製造工場で、血液幹細胞という若い細胞が骨髄中で盛んに細胞分裂しながら、赤血球、白血球など各種の細胞となって血液中に出ていきます。

 

骨髄、つまり硬い骨の部分は無機質のリン酸カルシウムを多く含む部分で、一見すると硬いだけで変化の少ない組織のように見えます。しかし、子供が成長する時には骨も成長するように、骨には骨を作る細胞があり、その細胞は大人になっても働いています。

 

大人が骨折しても治るのは、骨を作る細胞が活躍しているから他なりません。大人になって骨の成長が止まっても、骨を作る細胞(骨芽細胞)は働き続け、同時に骨を壊す細胞(破骨細胞)が同程度のバランスで働きます。骨を壊しながら新しい骨組織と入れ替えていくことで、骨全体を健康な状態に維持しているのです。

 

骨を壊す方向にバランスが傾くと骨が脆くなる骨粗しょう症になってしまいます。閉経後の女性に骨粗しょう症のリスクが高くなるのは、このバランスが女性ホルモンにかなり依存しているからです。

 

さて、骨を少しでも硬くするには骨全部をリン酸カルシウムで固めてしまえばよさそうにも思います。しかし、確かに硬くはなるでしょうが、弾力が全くなく、自己修復もできない骨になってしまうでしょう。

 

骨の強度のためには、適度な可塑性が必要です。これは強い力を加えられた場合に、バネのような働きをして力を吸収する性質のことです。その可塑性を与えている主な物質が、コラーゲンなのです。骨を酸で処理してミネラル分を取り除くと、骨の形に従って網目状に有機物質が残ります。この物質がコラーゲンです。

 

骨のコラーゲンは、骨のミネラル量に比べると4分の1程度にすぎませんが、骨の形づくりや骨の強度の保持のためには欠かせません。皮膚のコラーゲンも分解と合成が常時行われています。その役目を果たすのが、先ほど登場した骨芽細胞と破骨細胞です。

 

急速に骨が成長する胎児期から乳幼児期には、骨芽細胞がコラーゲンを大量に合成して骨の形を作っていきます。その速度は、カルシウムやリンを吸収して硬い骨になるのが追いつかないほどで、この時期には、骨を硬くするよりも、骨を大きくしていくことの方が優先されていると考えられます。そのため、乳幼児期は大人よりも体重当たりのカルシウムやリンがたくさん必要なのです。


膝や関節の痛みは潤滑油が不足している

弾力といえばコラーゲンがすぐに思い浮かびます。実際、関節にもコラーゲンが関わっています。関節にある骨の末端部分には軟骨を作る細胞がいて、この細胞がコラーゲンなどのタンパク質を分解し、骨の表面の摩擦を低減させています。

 

軟骨では、コラーゲンだけでなく、アミノ酸という物質やプロテオグリカンという物質も特に豊富な成分になっています。

 

軟骨のコラーゲンは、皮膚のコラーゲンとは少しタイプは違うものの、アミノ酸の組成としては同様です。軟骨には血管がありません。軟骨を作るために必要なアミノ酸などの栄養分は、滑液を通して供給されています。

 

骨髄の軟骨部分は薄い層ですので、コラーゲンの合成能力など軟骨細胞の機能が低下したり、滑液のヒアルロン酸の量が潤滑油的な機能が低下したりすると、骨端とが擦れあって、物理的な損傷を受けてしまいます。

 

こうなると、軟骨が削れてしまった部分では摩耗がすすみ、神経を直接刺激して関節の激しい痛みを感じるようになってしまいます。これが関節症です。また、慢性関節リウマチの場合には、何らかの原因で関節内で炎症が起こり、それが滑液の状態を変えたり、関節軟膏を破壊してしまい、関節の変形や痛みを生じます。


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