アミノ酸 タンパク質  健康 機能

アミノ酸ってなに?

片方の手のひらを広げて観察してみましょう。手のひらを覆う皮膚が見えます。皮膚をつまんでみると弾力があります。皮膚の奥には血管が何本か透けて見えるかもしれません。

 

その血管には赤血球や白血球をたくさん含んだ血液が流れています。また、手の甲を見ると、指の先には爪があります。次に手を握ってみましょう。握れたということは、手の指を動かす筋肉があるからですね。そして、指や手の骨組みになっているのは、硬い骨です。手を丸く握れたのは、骨と骨の間を、柔軟性のある関節が繋いでくれているからです。

 

また、手の甲にはうぶ毛が見えるかもしれません。さて、こうしていま観察したことの全てに、実はアミノ酸が深く関わっているのです。身体の一番外側にあって外界から身を守るべき皮膚、酸素を運んだり病原菌と戦う血液、その血液が流れる血管、硬い骨、柔らかいけれど丈夫な関節、放っておくと伸び続ける毛や爪、私たちの身体の中でアミノ酸が存在しない場所はほとんどないということです。

 

それも、単にアミノ酸が身体のいたるところにあるというだけではなく、アミノ酸を必要としない場所は身体の中のどこにもないと言っても差し支えありません。身体の中でもアミノ酸は、タンパク質の構成要素として機能していたり、アミノ酸単独で臨機応変に働いて私たちの健康を維持してくれています。


アミノ酸を化学物質としてみると、どんな物質?

アミノ酸とは化学物質としてみるとどのような物質なのでしょうか。「アミノ酸」という言葉は、単一の物質を指す言葉ではありません。自然界には数多くアミノ酸が存在しますが、そのうち、タンパク質の構成単位となるものは20種類あります。食生活や健康との関連でアミノ酸を考える場合には、これらの20種類のアミノ酸が主役と考えていいでしょう。

 

どのアミノ酸の構造も一見複雑ですが、分子の一部分が異なるだけで他は共通の構造をしています。各アミノ酸分子の間で異なる部分の違いがアミノ酸の個性を生み出しているのです。

 

アミノ「酸」という名称から、アミノ酸は酸っぱいものと思われがちですが、実は多くのアミノ酸は中性です。一部のアミノ酸には、弱い酸性やアルカリ性を示すものがあります。また、炭素、水素、酸素、窒素からなるアミノ酸のほかに、メチオニンやシステインといった硫黄を含んだアミノ酸もあります。

 

これら20種類のアミノ酸は、それぞれを純粋に取り出しれ見ればきれいな白い結晶で、見た目ではそれぞれを区別することは困難です。大部分のアミノ酸は水に溶けます。私たちが日常生活でもっとも、あるいは唯一目にするアミノ酸は、うま味調味料のグルタミン酸ナトリウムでしょう。他のアミノ酸も、みかけはグルタミン酸ナトリウムや食塩と似たような物質です。

 

このように、水に溶ければ姿が消えてなくなる白い結晶と、皮膚、骨、毛、爪、筋肉、血液、さらには身体全体の姿とを結び付けて考えるのは難しいかもしれません。しかし、これこそが私たちの身体に10キログラム以上も含まれている、生命の基本物質ともいえるアミノ酸の裸の姿なのです。

 

いってみれば、アミノ酸を私たちの身体という形にして生き物として活動させ続ける働きこそが、生命の仕組みというもの、ということになります。


アミノ酸の基礎知識記事一覧

アミノ酸と関連の深い、ペプチド、タンパク質、アミン類という言葉が随所に出てきます。そこで、これらとアミノ酸の関係を簡単に整理しておきましょう。アミノ酸が数個から10個程度つながっているものをペプチドと呼びます。ペプチドのうち、アミノ酸が2個つながっているものをシペプチド、3個つながったものをトリペプチドと呼びますが、これらも含めてアミノ酸が10個程度つながったものまでをまとめてペプチドと呼んでいま...

血管や皮膚、爪、筋肉の構造を作っている主な成分はタンパク質です。カルシウムのカタマリのような硬い骨や歯でさえも、タンパク質が重要な役割を果たしています。それらが細胞自身でできているか、細胞が自滅しながら、タンパク質を大量に分泌したり細胞内に蓄積して形成されているからです。細胞は細胞膜内でおおわれて一つの単位となっていますが、細胞膜の主成分はタンパク質やリン脂質です。また、細胞膜内には呼吸や細胞分裂...

アミノ酸、タンパク質の形をとったアミノ酸を体内に保持しているのは人間だけではないのです。他の哺乳類、爬虫類、鳥類、魚類、昆虫、植物、海藻、細胞、カビ、プランクトンまでもの生物がアミノ酸を保有しているのです。人と同様にアミノ酸を食事から摂取する必要がある一方で、外界からアミノ酸を取り入れる必要がなく自分自身で必要なアミノ酸を全て作り出してしまう生き物がいるという違いはあるが、自分の形を作って生き続け...

page top